特定技能「飲食料品製造業(食品製造等)」の可能業務・基本情報・外国人要件・採用条件
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特定技能「飲食料品製造業」では、食品の製造・加工を主たる業務とする事業所であれば、外国人材を最長5年(特定技能1号)雇用できます。スーパーのバックヤードや精肉店も、加工を主業務とする場合は対象に含まれます。
本記事では、対象業務の範囲・企業と人材の採用要件・支援義務・費用の目安まで、制度の全体像をまとめて解説します。
2026年4月改正で運用が明確化されました
2026年4月15日の改正により、飲食料品製造業で特定技能外国人を雇用する際の基準が明確化され、運用がより厳格になりました。
- 製造が主業務であれば小売と兼任しても受け入れ可能
- 主業務はあくまで「製造」であり、軽作業だけやらせるのは不可
- 製造(加工)を主たる業務として行っていることが重要
詳しくは「飲食料品製造業分野に特有の事情に鑑みて定める基準(PDF)」をご確認ください。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ600名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立。2025年には4つの商工会議所で「外国人活用セミナー」の講師を務める。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能「飲食料品製造業」で従事できる業務の範囲

特定技能「飲食料品製造業」の対象は、製造・加工を主たる業務とする事業所に限られます。業務内容は「主たる業務」と「関連業務」の2種類に分かれます。
主な業務内容(主たる業務)
- 原料の計量・切断・下処理
- 煮る・焼く・冷却・混合などの加熱・加工処理
- 商品ごとの包装・ラベル貼付・品質検査
- 異物混入防止・温度管理・衛生管理
関連業務
- 製造設備・器具の洗浄・消毒
- 作業エリアの清掃・環境維持
- 原料・資材の受け入れ・在庫管理
- 記録・報告業務
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販売業務のみへの従事は対象外
レジ対応・接客・単なる品出しなどの販売業務のみには従事できません。製造(加工)業務を主として担当することが必須です。関連業務のみへの従事も認められません。
雇用できる期間と受け入れ人数
特定技能1号の在留期間は最長5年(更新制)です。受け入れ人数に一律の上限はありませんが、事業規模や業務内容の適正性が審査されます。
特定技能2号なら在留期間の上限なし
2024年3月の制度改正により、飲食料品製造業も特定技能2号の対象分野に追加されました。熟練した人材は特定技能1号から2号へ移行でき、更新を繰り返すことで長期雇用が可能になります。
受け入れ企業の要件

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安定した経営基盤があること
直近の決算で赤字が続いていないなど、安定した経営状態が求められます。
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労働関係法令・最低賃金法を遵守していること
労働基準法・最低賃金法・社会保険への加入など、法令遵守が義務付けられています。外国人への給与は日本人と同等以上が必要です。
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適切な雇用契約を締結すること
特定技能雇用契約を結ぶ必要があります。契約書は外国人が理解できる言語で作成することが求められます。
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食品衛生に関する教育体制を整えること
食品を扱う現場として、衛生管理の教育・指導体制を整備する必要があります。
特定技能協議会への加入(必須)
飲食料品製造業分野では、特定技能協議会への加入が義務付けられています。未加入の場合、在留資格の許可が下りない可能性があります。特定技能外国人を初めて受け入れる企業は、受け入れ後4ヶ月以内に加入する必要があります。
外国人(候補者)が満たすべき要件
採用する外国人は、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 飲食料品製造業技能測定試験に合格していること
- 日本語能力試験(JLPT)N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)に合格していること
- 18歳以上であること
- 日本での犯罪歴・退去強制歴がないこと
技能実習2号修了者は試験が免除されます
飲食料品製造業の技能実習2号を修了した外国人は、技能測定試験・日本語試験の両方が免除されます。技能実習生をすでに採用している事業者は、修了後に特定技能へスムーズに移行できます。
受け入れ企業に求められる支援義務

特定技能外国人を受け入れる事業者は、義務的支援10項目を実施する義務があります。これらは登録支援機関へ委託することも可能です。
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事前ガイダンス・空港送迎
入国前に就労条件・生活ルールを説明し、入国時の空港送迎や引っ越し支援を行います。
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住居確保・生活オリエンテーション
アパートの契約・銀行口座開設・携帯電話の手続きを支援し、ゴミ出しルールや交通ルールなど日本の生活マナーをガイダンスします。
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公的手続きへの同行・日本語学習支援
市役所での住民登録・年金・健康保険の手続きに同行します。日本語学習の機会の提供も義務に含まれます。
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相談対応・交流支援・転職支援・定期面談
外国人からの相談・苦情への対応、日本人との交流促進、会社都合での離職時の転職支援、3ヶ月に1回以上の定期面談の実施・記録管理が必要です。
採用にかかる費用の目安
特定技能外国人を採用する際にかかる主な費用は、紹介費用と支援委託費の2つです。
| 費用の種類 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 紹介費用(国内在籍者) | 20〜50万円程度 | 技能実習からの移行など |
| 紹介費用(海外からの呼び寄せ) | 30〜100万円程度 | 送り出し機関費用を含む |
| ビザ申請費用 | 5〜15万円程度 | 行政書士に依頼する場合 |
| 支援委託費(月額) | 2〜5万円程度 | 登録支援機関への委託費 |
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費用は会社によって大きく異なります
上記はあくまで相場の目安です。登録支援機関・人材紹介会社によって費用体系が異なるため、複数社に見積もりを依頼することをおすすめします。
よくある質問
- スーパーや精肉店でも特定技能外国人を採用できますか?
- バックヤードなどで食品の製造・加工を主として行っている場合に限り対象です。販売業務のみの場合は対象外となります。2026年4月改正で、「製造が主業務であれば小売と兼任しても受け入れ可能」と明確化されています。
- 技能実習生から特定技能に移行できますか?
- はい。飲食料品製造業の技能実習2号修了者は、技能測定試験・日本語試験が免除されます。修了後1〜2ヶ月程度でスムーズに移行できます。
- どんな工場・事業所が対象ですか?
- 食品の製造・加工を主業務とする事業所が対象です。水産加工・食肉加工・惣菜製造・製パンなど幅広い業種が含まれます。
- パック詰めや品出しだけでも雇用できますか?
- できません。パック詰めや品出しは「関連業務」にあたるため、単独での従事は認められません。製造・加工業務を主として担当することが必要です。
- 特定技能協議会にはいつ加入する必要がありますか?
- 初めて特定技能外国人を受け入れた後、4ヶ月以内に加入する必要があります。未加入のまま在留期間の更新を迎えると、許可が下りない可能性があります。
まとめ
特定技能「飲食料品製造業」は、食品の製造・加工を主たる業務とする事業所であれば、精肉店・スーパーのバックヤード・食品工場など幅広い事業者が活用できる制度です。2026年4月改正で運用基準が明確化され、より確実に制度を活用できるようになっています。
採用要件の確認から在留資格申請・入国後の支援義務まで、手続きは多岐にわたります。エドミールは特定技能全16分野に対応した登録支援機関として、採用から定着まで一貫してサポートします。飲食料品製造業での外国人材の採用についてお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。


