【図解】在留資格「特定技能」とは?1号と2号の違い・義務的支援・費用相場・国籍選び・流れを解説

【図解】在留資格「特定技能」とは?1号と2号の違い・義務的支援・費用相場・国籍選び・流れを解説

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日本で外国人材を採用したいと考えている企業にとって、「特定技能」とは何か、どのような制度なのかを正しく理解することは非常に重要です。

本記事では、特定技能の在留資格の仕組みや対象となる19分野、1号・2号の違い、登録支援機関の役割、費用相場、受け入れ手続きまでを網羅的に解説します。これから外国人採用を検討する企業様の入門ガイドとしてご活用ください。

2027年に向けた分野追加の見通しは特定技能の新分野にまとめています。

合同会社エドミール代表社員・武藤拓矢

合同会社エドミール 代表社員

武藤 拓矢

合同会社エドミール代表社員。外国人材の採用・受入れと生活・就労支援に携わり、特定技能の制度や受入れ実務を解説しています。経歴・対応範囲はプロフィールをご確認ください。

武藤 拓矢のプロフィール

在留資格とは何か?

在留資格全29種類

在留資格とは、外国人が日本で生活し、働いたり学んだりする際に必要な「法的な活動許可」です。2026年現在、在留資格は全部で29種類あり、「就労系」「非就労系」「身分系」の3種類に大別されます。

このうち特定技能は、労働力不足を補うために創設された就労系の在留資格で、即戦力となる外国人材を受け入れることが可能です。

在留資格「特定技能」とは?

特定技能とは、日本の深刻な人手不足に対応するために導入された制度で、一定の技能と日本語能力を有する外国人材を対象とした在留資格です。2019年4月に新設され、2026年現在では制度の運用も安定し、導入企業が年々増加しています。

この資格には次の3つの大きな特徴があります。

  • 特定技能1号・2号の2段階制度
  • 対象分野は19分野
  • 分野ごとの技能・日本語水準を満たす必要があり、試験免除の経路もある

特徴①:特定技能1号と2号

特定技能1号・2号の違い

特定技能には「1号」と「2号」があり、スキルに応じてステップアップできる構造です。

  • 特定技能1号: 技能・日本語の基礎力があり、最大5年間の就労が可能。家族の帯同は不可。
  • 特定技能2号: より高度な技能を有する場合に取得でき、在留更新は無制限。家族帯同も可能。

在留者数は公表時点と集計区分で変わります。採用の判断では、出入国在留管理庁の「特定技能在留外国人数の公表等」で基準日と分野・国籍別の母数を確認してください。

特徴②:対応可能な業種は19分野

特定技能の対象分野(2024年3月時点の16分野。2026年1月に3分野追加)

特定技能1号の対象分野は、2026年1月23日の閣議決定で3分野の追加が決まり、19分野となりました(2026年10月時点で受入れ可能なのは17分野)。以下が対象分野です。

  • 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
  • 自動車運送業、鉄道、林業、木材産業(2024年3月の閣議決定で追加)
  • リネンサプライ(2026年1月23日の閣議決定で追加。2026年6月1日から特定技能1号の在留申請が可能)
  • 物流倉庫、資源循環(2026年1月23日の閣議決定で追加。受入れ開始前のため、開始時期は所管省庁の公表を確認)

特定技能では、分野ごとの業務区分・主業務・関連業務を確認する必要があります。宿泊分野でのレストランサービスと外食業の飲食物調理などは、名称だけで同一視せず、実際に担当する業務と所管省庁の運用要領を照合してください。

特徴③:一定の技能と日本語能力が必要

特定技能1号では、原則として次の技能・日本語水準を証明します。技能実習2号の良好修了などによる試験免除や、介護・自動車運送業などの追加・異なる日本語要件もあるため、分野別の条件を確認してください。

  • 日本語試験: JFT-Basic または JLPT N4以上
  • 技能評価試験: 各分野に対応する業種別技能試験

試験に合格しても、実務経験がない外国人も多く、即戦力化には企業側の教育・サポートが欠かせません。

特定技能の義務的支援とは?

特定技能外国人を雇用する企業は「受け入れ機関」と呼ばれ、特定技能1号の外国人に対して、生活・就労に関する10項目の支援を義務づけられています。これが「義務的支援」です。

主な支援内容は以下の通りです。

  • 事前ガイダンス、入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション
  • 携帯や銀行口座の契約支援、日本語学習の機会提供
  • 公的手続への同行、日本人との交流、相談・苦情対応、非自発的離職時の転職支援、定期面談・通報

支援の実施は、自社対応でも可能ですが、多くの企業は「登録支援機関」に委託しています。

義務的支援の内容と事前ガイダンスの時期は、出入国在留管理庁「会社から受けられる支援」で確認できます。支援対象は特定技能1号です。

登録支援機関とは?

登録支援機関とは

登録支援機関とは、出入国在留管理庁の登録を受け、企業から委託された特定技能1号外国人の支援を実施する個人または団体です。

提供業務の例は以下の5つです。人材募集・紹介は義務的支援とは別で、職業紹介を行う場合は別途必要な許可・届出を確認します。

  • 人材募集
  • 採用支援・面接調整
  • 在留資格手続きの案内と、行政書士等の資格者・承認された取次者との連携
  • 生活立ち上げ支援(住居・契約・日常生活)
  • 定期面談・トラブル対応・出入国在留管理庁への届出

支援の質や対応言語、費用には大きな差があるため、信頼できる登録支援機関の選定が重要です。

特定技能・技能実習・技人国の違い

 

就労系在留資格の中で、企業が特に検討する3つの制度があります。

  • 特定技能: 即戦力人材の受け入れ
  • 技能実習: 技能移転による国際貢献
  • 技術・人文知識・国際業務(技人国): 高度人材の受け入れ

制度の目的や要件、転職の可否などに違いがあります。比較表は前述の通りです。

特定技能の費用相場

費用相場 初期・運用費用

以下の金額帯は見積り項目を整理するための参考例であり、統計的な全国相場や当社の確定料金ではありません。国内・海外の採用ルート、住居条件、申請担当者の報酬などを個別に見積もってください。

初期費用の内訳

  • 人材紹介料:個別見積もり
  • 在留資格申請:個別見積もり
  • 渡航費:出発地・時期・航空券条件ごとに個別見積もり
  • 住居初期費用:個別見積もり

運用費用の内訳

  • 登録支援機関への委託費:個別見積もり
  • 在留期間更新:公的手数料と専門家報酬を分けて確認

出入国在留管理庁の支援委託料集計では、2022年9月末に在留する特定技能外国人を対象とした月額平均は28,386円(暫定値)です。現在の全国相場や個別見積額を示す値ではなく、支援範囲・実費・税の扱いを確認してください。

特定技能外国人の国籍割合

在留者数は公表時点と集計区分で変わります。採用の判断では、出入国在留管理庁の「特定技能在留外国人数の公表等」で基準日と分野・国籍別の母数を確認してください。

国籍別の増減を見る際は、同じ基準日・在留資格区分の公表表を比較してください。人数や順位を、個人の能力や採用しやすさの指標として使うことはできません。

特定技能の受け入れフロー

特定技能外国人が入社する流れ

外国人が実際に入社するまでの流れは以下の5ステップです。

  1. 人材募集・採用
  2. 在留資格の申請
  3. 渡航・住居手配
  4. 入国・生活立ち上げ
  5. 就労開始・定期支援

募集、協議会加入、在留申請、査証・渡航などに要する期間は案件ごとに異なります。3〜5ヶ月は計画を考える際の参考例であり、その期間での入社を保証するものではありません。事前ガイダンスは雇用契約後、在留資格申請前に実施します。

登録支援機関の選び方

登録支援機関選びの4つのポイント

登録支援機関は、特定技能外国人の受け入れを支えるパートナーです。支援内容の質や言語対応、費用体系などは機関ごとに大きく異なるため、慎重な選定が必要です。

まず確認すべきポイントは、支援実績・対応言語・支援の内訳・料金の透明性・レスポンスの速さなどです。特に支援実績が豊富な機関は、行政対応やトラブル対応にも慣れており、安心して任せることができます。また、対応言語が受け入れ予定の国籍にマッチしているかも重要です。

料金面では、月額支援費用が相場から大きく外れていないか、契約前に見積書や支援内容一覧を提示してもらうとよいでしょう。加えて、企業との連携体制(定期連絡・訪問頻度など)も比較ポイントです。

失敗しない選び方のコツは、「安さ」や「知名度」だけで判断せず、自社の業種・規模・外国人材の国籍に合った支援機関を選ぶことです。可能であれば、複数の機関に問い合わせて比較検討することをおすすめします。

特定技能のよくある質問

特定技能とはどんな在留資格ですか?
特定技能は、人手不足が深刻な分野において、即戦力として外国人を受け入れるための就労系在留資格です。技能試験や日本語試験の合格が必要で、対象は19分野に限られます。
特定技能1号と2号の違いは何ですか?
特定技能1号は在留期間が最大5年で、家族帯同は不可です。一方、2号は在留更新が無制限で、配偶者や子どもの帯同も可能になります。ただし2号は取得要件が厳しく、対応分野も限られています。
特定技能の対象分野は何がありますか?
特定技能の対象分野は19分野です。介護、建設、外食業、宿泊業、農業などがあり、2026年1月23日の閣議決定でリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の追加が決まりました。リネンサプライは2026年6月1日から特定技能1号の在留申請が可能で、物流倉庫・資源循環は受入れ開始前です(2026年10月時点で受入れ可能なのは17分野)。分野ごとに必要な試験が異なるため注意が必要です。
技能実習と特定技能の違いは?
技能実習は技能移転を目的とした制度で、転職が原則不可です。一方、特定技能は人手不足を補うための制度で、同一業種内であれば転職が可能です。制度目的と自由度が大きく異なります。
特定技能外国人を受け入れるには何が必要ですか?
受け入れ企業は「受け入れ機関」となり、10項目の義務的支援を実施する必要があります。自社で対応できない場合は、登録支援機関へ委託するのが一般的です。
登録支援機関を使うとどれくらい費用がかかりますか?
公定価格はなく、支援範囲や言語、人数、実費の扱いで異なります。入管庁の2022年9月末対象の集計には月額平均28,386円(暫定値)がありますが、現在の価格保証ではありません。初期費用と月額・追加費用を個別見積りで確認してください。
特定技能外国人を採用してから働き始めるまでの期間は?
採用ルート・書類・試験・協議会加入・審査状況によって異なり、一律の期間は示せません。この記事の3〜5ヶ月は計画上の参考例です。希望入社日から逆算し、審査や渡航の余裕を確保してください。
どの国の人材が特定技能で多く働いていますか?
国籍別の人数・順位は基準日によって変わります。入管庁の最新公表表を参照し、国籍だけで本人の技能・日本語力・定着を判断しないでください。

まとめ

特定技能は、日本の労働市場を支える新たな制度として、今後も注目される在留資格です。19の対象分野において、外国人材の力を活用するには、制度の理解と適切な支援体制が不可欠です。

登録支援機関の活用や、外国人材のキャリアパスを見据えた戦略的な運用が、成功のカギとなります。

在留資格申請の前に、特定技能の必要書類の洗い出しで本人側・企業側の準備物を確認しておくと、審査直前の追加収集を減らせます。

申請前に帳票を様式単位で確認したい場合は、申請書類の様式一覧も合わせてご覧ください。

受け入れ企業は「受け入れ機関」となり、10項目の義務的支援を実施する必要があります。自社で対応できない場合は、登録支援機関へ委託するのが一般的です。所属機関側の要件と義務の詳細は特定技能の所属機関も確認してください。

2027年施行予定の育成就労との比較は、育成就労と特定技能の違いを参照してください。

技能実習との制度的な違いをより詳しく知りたい方は、特定技能と技能実習の違いもあわせてご覧ください。