特定技能1号・2号の違い7つを徹底比較
公開日
最終更新日
特定技能を活用したい企業がたどり着く疑問点として最も多いのが「特定技能1号と特定技能2号って何が違うの?」という疑問です。
実際のところは、特定技能1号と特定技能2号は全く別物で大きく異なり、これから特定技能制度を活用していく企業は「特定技能1号」を活用することになります。
ただ、今後は特定技能1号も特定技能2号もいずれも併用して活用していく必要があるため、今回は特定技能制度を活用していく企業様向けに「特定技能1号・2号」の違いを7つの観点から徹底比較していきます。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
合同会社エドミール代表社員。外国人材の採用・受入れ・定着支援に関する情報を発信しています。経歴や支援方針は会社概要をご確認ください。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能とは?
特定技能は、深刻化する人手不足を背景に、労働力が特に不足している産業分野で人材を確保するために設けられた在留資格です。この制度は「特定技能制度」と呼ばれ、2019年4月に創設されました。
他の就労可能な在留資格と比べて、特定技能の特徴は就労可能な範囲が広い点にあります。単純労働をメインとする業務はできないものの、単純労働を含む業務には従事できるため、幅広い活躍が期待される在留資格と言えるでしょう。
特定技能は『1号』と『2号』がある
特定技能1号は、2019年に創設された制度で、一定の技能と日本語能力を求められる在留資格です。2019年の創設時は14分野が対象で、2022年に製造3分野が「工業製品製造業」へ統合されて12分野、2024年に自動車運送業・鉄道・林業・木材産業が加わって16分野になりました。さらに2026年1月23日の閣議決定で19分野となり、2026年10月時点で受入れできるのはリネンサプライを加えた17分野です(物流倉庫・資源循環は受入れ開始前)。一方、特定技能2号は2022年までは「建設」と「造船・舶用工業」の2分野に限られていましたが、現在は対象が11分野に拡大されています。ただし、「介護」分野は在留資格「介護」などの別の移行先があるため特定技能2号の対象外で、自動車運送業・鉄道・林業・木材産業も2号の対象外です。
特定技能1号の在留期限は通算5年までであり、2019年に特定技能で在留を開始した外国人の在留期限が迫っているため、2023年に特定技能2号の対象分野が拡大されました。この変更により、特定技能2号を取得して引き続き在留を希望する外国人が増加すると予想されます。
今後、特定技能1号から2号への移行を目指す外国人が増えることで、採用競争が激化する可能性があります。そのため、早期に採用の検討を開始することをおすすめします。
特定技能『1号』『2号』の違いは7つ

特定技能1号と2号はそれぞれ異なる性質を持ちます。それぞれの項目の詳細について解説していきます。
①対象分野の違い
| 特定技能1号 | 17分野(閣議決定ベースでは19分野) |
|---|---|
| 特定技能2号 | 11分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業などは対象外) |
特定技能1号と特定技能2号では、対象となる分野が異なります。1号の対象分野のうち、介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業などは2号の対象外です。
なお、2024年3月の閣議決定で「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が特定技能1号で追加されました。
②在留期間の違い
| 特定技能1号 | 在留期間は通算5年まで。 |
|---|---|
| 特定技能2号 | 無制限 |
特定技能1号は通算在留期間が原則5年です。特定技能2号には通算在留期間の上限がありませんが、更新ごとの許可が必要です。2号の更新と在留資格「永住者」の許可は別の手続きであり、更新を続ければ自動的に永住できるという意味ではありません。
ただし、特定技能ビザは就労を目的としたビザであるため、雇用されていることが前提条件となります。
③永住権の違い
| 特定技能1号 | 1号・2号の区分だけで永住許可の可否は決まらない |
|---|---|
| 特定技能2号 | 更新と永住許可は別審査。最新の永住許可要件を確認 |
永住許可では、在留歴のほか、素行、独立生計、税・年金・医療保険等の公的義務などを別に審査します。在留期間の算入方法や必要年数は、申請者の在留資格・家族関係などによって確認が必要です。技能実習・特定技能1号の期間が一律にすべての在留年数から除外される、または2号で一定年数働けば必ず永住できる、とは説明できません。
2026年10月12日の本記事更新では、2026年10月1日改定後のガイドライン全文を取得して照合できていません。古い要件の引用を現行基準として使用せず、申請前に出入国在留管理庁の最新の永住許可ガイドラインと管轄窓口で、本人に適用される条件を確認してください。
なお、永住権の申請には他にも満たすべき要件があるため、詳しい条件や手続きについては、関連する公式ガイドラインや以下の記事を参考にしてください。
④技能水準の違い
| 特定技能1号 | 一定の技能 |
|---|---|
| 特定技能2号 | 熟練した技能 |
特定技能2号では、特定技能1号よりも高い水準の技能が求められます。
例えば建設分野における「配管」業務では、以下のような違いがあります。
- 1号……「配管(指導者の指示・監督を受けながら配管加工・組立て等の作業に従事)」
- 2号……「配管(複数の建設技能者を指導しながら、配管加工・組立て等の作業に従事し、工程を管理)」
同じ「配管」の分野でも、特定技能2号では、他の技能者を指導したり、工程を管理するなど、より高度で指導的な経験が求められます。
⑤外国人支援の違い
| 特定技能1号 | 必須 |
|---|---|
| 特定技能2号 | 不要 |
特定技能1号では支援計画の作成・実施が必要です。自社支援の可否は、過去の外国人社員の在籍だけでなく、生活相談の経験を持つ役職員、言語対応、担当者の独立性などの基準を確認して判断します。要件を満たさない場合の全部委託と、一部業務の委託は区別してください。自社支援の要件と準備も参照してください。
一方、特定技能2号では、外国人支援の計画策定や実施が求められないため、企業の負担が軽減されます。
⑥家族帯同の違い
| 特定技能1号 | 不可 |
|---|---|
| 特定技能2号 | 条件付き可能 |
特定技能1号では、原則として家族の帯同は認められていません。
一方、特定技能2号の場合、一定の要件を満たせば配偶者や子供を本国から呼び寄せることが可能です。この場合、配偶者や子供には在留資格が付与され、日本で一緒に生活することができます。
⑦試験の違い
| 特定技能1号 | 技能試験+日本語試験 |
|---|---|
| 特定技能2号 | 熟練技能試験 |
特定技能1号では、原則として分野の技能試験と日本語試験で水準を確認します。技能実習2号の良好修了などによる免除は、技能と日本語を分けて確認します。
一方、特定技能2号は、外食業・漁業でJLPT N3以上が求められるなど、分野によって日本語試験が要件に含まれます。さらに2027年4月1日以降の認定申請からは、2号は全分野で日本語能力B1相当以上が必要になります。
特定技能『1号』と『2号』の取得方法
特定技能1号と2号の在留資格の取得方法について、要件や試験などについて解説します。
特定技能1号の取得方法
特定技能1号の場合は、
- パターン1:特定技能測定試験に合格する方法
- パターン2:技能実習から移行する方法
の2パターンがあります。
パターン1:特定技能測定試験
分野ごとに用意されている技能試験と、日本語能力試験の2つの試験に合格する必要があります。
詳細は各団体のホームページよりご確認いただけます。
| 介護 | ビルクリーニング | 工業製品製造業 | 建設 |
| 造船・舶用工業 | 自動車整備 | 航空 | 宿泊 |
| 農業 | 漁業 | 飲食料品製造業 | 外食業 |
パターン2:技能実習から移行
以下の要件で移行をすることができます。
- 技能実習2号を良好に修了していること
- 技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性が認められること
また、技能実習を良好に3年間終了し(技能実習2号まで)、職種と作業内容が移行する特定技能1号の業務に関連性が認められる場合は、技能試験と日本語試験が免除されます。技能実習時と異なる業務を行う場合でも、技能実習2号を良好に修了している場合は日本語試験が免除されます。
特定技能2号の取得方法
特定技能2号では、分野所定の試験または代替資格等により熟練技能を示し、実務経験などの要件を満たす必要があります。例えば建設では技能検定1級等、自動車整備では整備士技能検定2級の経路もあります。
特定技能2号への移行は、現在の在留資格名だけで判断せず、分野ごとの技能水準・試験・実務経験と在留資格変更の条件を確認します。1号を経験していなければ一律に取得できない、と決めつけないでください。要件は申請時点の分野別運用要領を参照してください。
- 「班長としての一定の実務経験」
- 「日本国内の企業で該当分野の実務経験3年以上」
- 「管理職相当の実務経験を証明する書面の提出」
- 「試験の申し込みは企業が行う」
これらの条件を考慮すると、特定技能1号で就労経験がない場合には取得が難しい分野も存在する可能性があります。
特定技能1号・特定技能2号のよくある質問
- 特定技能外国人を紹介してくれるおすすめの登録支援機関はありますか?
- 「特定技能人材紹介会社ランキング」や「登録支援機関おすすめランキング」をご覧ください。
- 特定技能1号と2号はどちらを選べばよいですか?
- 一般的には、最初は特定技能1号からスタートするケースがほとんどです。特定技能2号は実務経験や高度な技能が必要であり、1号での就労経験を積んでから2号にステップアップする流れが一般的です。
- 特定技能2号をいきなり取得することは可能ですか?
- 1号の経験がなくても、分野ごとの熟練技能・試験や資格・実務経験等の要件を満たせば申請できます。必要な経験年数、証明方法、試験の申込者は分野ごとに確認し、全分野共通の「国内経験3年以上・管理職・企業申込」という条件として扱わないでください。
- 特定技能1号から2号へ移行するにはどれくらいの期間が必要ですか?
- 明確な決まりはありませんが、実務経験や技能レベルの向上を考慮すると、最低でも2〜3年以上の実務経験が必要とされることが多いです。早めの計画と準備が重要です。
- 特定技能2号で働くと永住できますか?
- 特定技能2号の在留期間更新と永住許可は別審査です。2号で働くだけで永住が保証されるものではありません。2026年10月1日改定後のガイドライン全文は本記事更新時に照合できていないため、必要な在留歴と公的義務などの条件を最新の公式案内で個別に確認してください。
- 特定技能1号と2号で給与水準は違いますか?
- 一般的に、特定技能2号はより高度な技能が求められるため、給与水準も高く設定される傾向があります。ただし、具体的な金額は業種や企業によって異なります。
- 特定技能2号では外国人支援が不要なのはなぜですか?
- 特定技能2号は、熟練労働者としての立場であり、日本での生活にも慣れていることが前提となるため、1号のような支援制度が義務づけられていません。
- どのような人が特定技能2号を取得できますか?
- 主に、特定技能1号で数年の就労経験を持ち、指導・管理などの業務も担えるような人材が対象となります。分野所定の技能試験または代替資格等と、実務経験などの条件を確認してください。
- 外国人を長期的に雇用したい場合、どちらを選ぶべきですか?
- 長期的な雇用を前提とするなら、最終的に特定技能2号へ移行できる人材の採用がおすすめです。1号からスタートし、将来的な定着・育成を見据えた戦略が有効です。
- 家族帯同を希望する外国人はどちらを選ぶべきですか?
- 家族帯同が認められているのは特定技能2号です。1号では帯同が原則不可のため、長期的な家族移住を希望する場合は2号への移行を目指す必要があります。
- どの分野で特定技能2号の取得が可能ですか?
- 現在(2026年10月時点)、介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業などを除く11分野で2号が認められています。今後、さらに拡大される可能性もあります。
特定技能1号・特定技能2号の違いまとめ
特定技能は、日本の人手不足を補うために設けられた在留資格で、特定技能1号と2号の2種類があります。
1号は17分野(閣議決定ベースでは19分野)、2号は11分野が対象で、それぞれ在留期間や技能水準、支援の有無などに違いがあります。
2号は永住権取得の可能性もあるため、長期的な就労を目指す方に適しています。
必要な試験や条件を理解し、適切な準備を進めることが重要です。

