外国人労働者雇用労務責任者とは?義務・選任方法・必要な知識まで徹底解説

作成日:2025年5月7日
最終更新日:2025年5月7日

合同会社エドミール代表社員・武藤拓矢

合同会社エドミール 代表社員

武藤拓矢

外国人技能実習制度の管理団体で5年勤務、2019年に合同会社エドミール(AIDE MILLE)を立ち上げる。
600名を超える外国人採用支援実務経験から、制度の理解と外国人人材の現場オペレーションに強みを持つ。建設業、飲食料品製造業、外食業の経験豊富。

外国人を雇用する事業所では、「外国人労働者雇用労務責任者」の選任が法令で義務付けられています。
この制度は、外国人労働者の雇用管理を適正に行うために設けられたものであり、特に実務担当者や人事労務部門にとって重要な役割を担います。

外国人労働者雇用労務責任者とは

厚生労働省の通達により、外国人労働者を常時10人以上雇用する事業所は、「外国人労働者雇用労務責任者」を選任する必要があります。
これは外国人労働者の労働条件や社会保険の整備、在留資格の確認などを担当する責任者です。

選任が義務付けられる条件

  • 外国人労働者を10人以上常時雇用している事業所
  • 労働契約、雇用条件、在留資格等の管理を行う必要がある場合

選任義務に違反した場合は、ハローワークによる是正勧告や、重大な場合には雇用主への指導が入ることもあります。

外国人労働者雇用労務責任者の主な役割

  • 在留資格の確認・更新管理
  • 労働条件の説明と契約管理
  • 労災・社会保険加入の確認
  • 職場でのトラブル防止、文化的配慮
  • ハローワークなど関係機関との連携

必要な知識とスキル

責任者に選ばれたからといって、すぐに実務をこなすのは難しい場合もあります。次のような知識が求められます。

  • 外国人雇用に関する法令(出入国管理法、労働基準法など)
  • 各種在留資格の内容と許可条件
  • 外国人雇用状況届出制度の運用
  • 多言語対応、異文化理解

責任者の選任方法と手続き

  1. 社内で適任者を決定(人事部門・総務部門が一般的)
  2. 文書にて正式に選任(任命書など)
  3. 必要に応じてハローワークへ報告(指導があった場合)

外部委託は可能?

原則として、外国人労働者雇用労務責任者は社内の人物が担当すべきですが、コンサルタントや社会保険労務士などの外部専門家の支援を受けることは可能です。
ただし、最終責任は事業所にあります。

まとめ

外国人雇用が進む中で、適切な労務管理を行うためには「外国人労働者雇用労務責任者」の存在が欠かせません。
正しい知識と手続きに基づいて対応することで、外国人労働者も安心して働ける環境を整えられます。

外国人を雇用している、または検討している企業は、早めの体制整備をおすすめします。