特定技能の社会保険の加入は義務!手続き・注意点をわかりやすく解説
作成日:2025年7月23日
最終更新日:
特定技能外国人を受け入れる企業にとって、「社会保険への加入」は雇用管理の基本かつ法的義務です。
本記事では、加入すべき保険の種類(健康保険・年金・雇用・労災等)や具体的な手続き、加入義務の背景と企業の責任、よくあるトラブルを2025年最新の制度情報に基づいてわかりやすく解説します。初めての受け入れ企業も安心して対応できる内容です。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ600名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立。2025年には4つの商工会議所で「外国人活用セミナー」の講師を務める。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能外国人における社会保険の重要性
特定技能外国人を雇用する際、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険への加入は法的義務です。加入条件を満たしていない場合、企業は罰則や遡及徴収のリスクを負います。また、社会保険への加入は、外国人労働者の生活保障と安心感を高め、定着率向上や企業の信頼づくりにもつながります。
特定技能外国人が加入すべき社会保険の種類
健康保険
週20時間以上、または月額8.8万円以上の収入がある場合、健康保険への加入が必要です。保険料は労使折半で、医療費の自己負担は原則3割。高額療養費制度や扶養家族の適用も可能です。
厚生年金保険
会社員として雇用される場合、厚生年金への加入も義務です。将来の年金受給権が得られるほか、条件を満たせば脱退一時金の請求もできます。
雇用保険
週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある場合、雇用保険への加入が必要です。失業時の給付や教育訓練給付など、労働者の安全網として機能します。
労災保険
業務上または通勤中の事故は労災対象となります。労働基準監督署への届出と給付請求により、治療費や休業補償などが支給されます。
特定技能外国人の社会保険加入手続き
健康保険・厚生年金保険
所轄の年金事務所または健康保険組合に、在留カード・雇用契約書・給与明細等を添えて加入申請を行います。届出後、保険証が発行され、保険料は給与から天引きされます。
雇用保険
雇用保険被保険者資格取得届を作成し、雇用開始日の翌日から10日以内にハローワークへ提出します。必要書類は在留カードのコピーや雇用契約書です。
労災保険
業務開始時点で自動適用されます。災害発生時には、負傷報告とともに労働基準監督署に「労災保険給付請求書」を提出します。期限は2年以内です。
特定技能外国人に関する社会保険の注意点
保険料の天引きと労使協定
社会保険料の天引きには労使協定と本人同意が必要です。給与明細に内訳を記載し、外国人にも理解できる説明書を添付しましょう。
脱退一時金制度
帰国後、一時金請求が可能です。加入期間が6か月以上、日本を出国後2年以内に申請することが条件で、申請には年金手帳等が必要です。
特定技能外国人の社会保険に関するよくある質問
Q. 社会保険未加入のリスクとは?
A. 遡及保険料徴収、罰則、企業イメージ悪化、労働者の不信感などが発生します。
Q. 扶養家族も保険対象になりますか?
A. 健康保険では配偶者・子が扶養に入ることが可能です。収入要件や居住条件を満たす必要があります。
特定技能外国人を雇用する企業の責任
企業は加入条件の確認・正確な手続き・保険料の負担と説明責任を負います。また、在留資格の内容と実際の職務が一致しているか確認し、外国人労働者と円滑にコミュニケーションを取る体制が必要です。
まとめ:特定技能外国人の社会保険加入の重要性
社会保険加入は法的義務であると同時に、外国人労働者の安心・定着に欠かせません。企業は制度を正しく理解し、手続きを確実に実施し、信頼される雇用環境づくりに努めましょう。