【2025年版】特定技能外国人の脱退一時金とは?支給条件・金額・申請方法を徹底解説
作成日:2025年7月25日
最終更新日:
特定技能外国人として日本で働く方にとって、帰国時に受け取れる「脱退一時金(正式名称:年金脱退一時金)」は重要な制度です。
本記事では、2025年時点の最新制度に基づき、特定技能外国人が脱退一時金を受け取れる条件や金額、申請方法、注意点について詳しく解説します。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ600名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立。2025年には4つの商工会議所で「外国人活用セミナー」の講師を務める。
武藤 拓矢のプロフィール特定技能外国人における脱退一時金の基本理解
脱退一時金とは、日本の公的年金(厚生年金または国民年金)に加入していた外国人が、帰国後に請求できる制度です。
日本の年金制度に6か月以上加入し、一定の要件を満たしたうえで帰国後2年以内に申請することで、支払った保険料の一部を受け取ることができます。
特定技能外国人が受け取れる脱退一時金の条件
特定技能外国人が脱退一時金を請求できる主な条件は以下のとおりです:
- 日本国籍を有していないこと
- 公的年金に6か月以上加入していたこと
- 年金の受給資格期間(10年)を満たしていないこと
- 日本を出国してから2年以内であること
- 再入国許可を得ずに帰国している、または再入国許可が失効していること
在留資格「特定技能」で働いていた場合、多くが厚生年金に加入しているため、退職・帰国後に対象となります。
脱退一時金の支給額の計算方法
支給額は「加入期間」と「標準報酬月額(給与水準)」に基づいて計算されます。厚生年金の場合、以下のようなイメージです:
加入期間 | 概算支給額の目安 |
---|---|
6〜11か月 | 約5万円〜7万円 |
12〜17か月 | 約10万円〜13万円 |
18〜23か月 | 約15万円〜18万円 |
24〜29か月 | 約20万円〜23万円 |
30か月以上 | 最大で約25万円前後 |
※支給額は実際の給与額や為替レートによって変動します。
脱退一時金の申請手続き
脱退一時金を申請するには、帰国後に以下の手続きを行います:
- ① 帰国後、最寄りの日本大使館または郵送で申請書類を提出
- ② 必要書類(パスポート、年金手帳、出国スタンプのあるページなど)を添付
- ③ 約6〜12か月後に本人の海外口座へ振り込み
2025年現在、オンライン申請には対応していないため、必ず紙の書類を郵送する必要があります。
特定技能外国人の一時帰国時の脱退一時金
脱退一時金は“完全に出国し、再入国しないことが前提”で支給される制度です。そのため、以下のようなケースでは注意が必要です:
- 一時帰国後、特定技能2号や留学などで再来日予定がある場合 → 脱退一時金の申請はできません
- 再入国許可を得ている場合 → 「在留継続中」とみなされ、申請不可
- 再入国しない前提で帰国 → 脱退一時金の申請可
制度を誤って利用すると、将来的に年金受給資格の取り扱いが不利になる可能性もあるため、キャリア設計と併せて慎重に判断しましょう。
脱退一時金に関するよくある質問
Q. 脱退一時金はいくらくらいもらえますか?
A. 一般的に数万円〜25万円程度が多く、厚生年金加入期間や給与水準により異なります。
Q. 何か月以上働けば脱退一時金をもらえますか?
A. 最低6か月以上公的年金に加入している必要があります。
Q. 申請期限はありますか?
A. 帰国してから2年以内に申請しないと失効します。
Q. 再入国の予定がある場合はどうなりますか?
A. 再入国許可を取得して帰国した場合、脱退一時金の申請はできません。
特定技能外国人の脱退一時金制度まとめ
脱退一時金は、日本で働いた外国人が公的年金制度に加入していた場合に受け取れる重要な経済的補填です。
特定技能外国人にとっても、退職後・帰国後のライフプランの一部として活用すべき制度であり、受け取る条件や期限をしっかり理解しておくことが大切です。
再来日を予定している場合や、在留資格の継続を検討している場合は、申請を見送る判断も必要です。帰国前に支援機関や専門家と相談するようにしましょう。