
介護現場が人手不足の理由は?解決方法を徹底解説!
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介護現場は少子高齢化の影響を受け、人手不足の問題になっているのが現状です。
人手不足の問題を解決しなければ介護現場の経営状況は崩壊し、最悪の場合は廃業になるリスクもあります。
この記事では、介護現場が人手不足の理由について、問題点や解決方法などを解説します。
介護現場で現在人手不足に困っている企業や採用担当の方はぜひ参考にしてください。

合同会社エドミール 代表社員
武藤 拓矢
2018年に外国人採用領域の大手企業に入社し、技能実習・特定技能・技人国の全領域に携わる。のべ600名以上の採用支援実績をもとに、登録支援機関「合同会社エドミール」を設立。2025年には4つの商工会議所で「外国人活用セミナー」の講師を務める。
武藤 拓矢のプロフィール介護現場はなぜ人手不足なのか
介護現場が人手不足の理由は、少子高齢化が進み介護しなければいけない高齢者が増えたからです。
介護の2025年問題とも言われており、介護業界は人材不足の深刻化が懸念されています。
今後の介護業界で上手く経営していくためには、安定的な人材確保が求められます。
介護現場が人手不足によって起こる問題点
介護現場が人手不足になると以下のような問題が発生します。
それぞれ解説していきます。
良質な人材を確保できない
介護現場で人手不足に悩まされていると、求人から応募してきた人材に対して採用時の評価基準が低くなってしまい、良質な人材を確保できなくなります。
良質な人材を確保するより、人手不足を解消したいという思いから質よりも量にこだわってしまうからです。
良質な介護人材を見極めることなく採用し続けてしまった場合、業務に対して真面目に取り組まなかったり突然辞めてしまったりする従業員が出てくる可能性もあります。
介護現場の人手不足は、採用時の判断を狂わしてしまうこともあるので、すぐにでも解決したい問題です。
現状の介護報酬だけでは賃金を払えない
介護現場が人手不足になると、利用者の受け入れが難しくなり介護施設が赤字経営になってしまいます。
介護施設が赤字経営になってしまうと介護報酬だけで従業員への賃金が払えなくなり、給与に影響がでてしまうのです。
また、赤字経営が続くと従業員が満足できずに離職へと発展し、企業は倒産になってしまうリスクもあります。
実際に2024年には介護事業者の倒産が過去最多となっています。
人手不足の場合、新たに従業員を雇わなければいけないので採用に力を注ぐだけでなく、経営改善などを行う必要があるのです。
時間に追われて業務が終わらない
介護現場が人手不足になると一人に対する業務量が多くなってしまい、退勤時間までに仕事を終えられずに残業になってしまいます。
入浴介助や排泄介助など介護職は時間のかかる業務が多いのも業務量が溜まってしまう原因です。
また、退勤時間を超えて残業代が発生する現場であればいいのですが、人手不足を抱えて赤字経営の場合は残業代も支払えません。
人手不足を解消しなければ一人に対する業務が時間に追われ、精神的にも肉体的にも負担になってしまいます。
利用者に影響が出る
介護現場が人手不足だと利用者に対してサービスの低下や雑な業務になり、満足のいくサービスを提供できなくなります。
普段通りの業務を行っているつもりでも、忙しいと自然と雑な業務になりがちです。
人手不足で雑な業務が続いてしまうと、最悪の場合事故に繋がる可能性もあります。
介護現場における人手不足は従業員の負担だけでなく、利用者にも影響を及ぼしてしまうので解消しなければいけない大きな問題です。
介護現場の人手不足を解消する方法
介護現場の人手不足を解消する方法は以下の通りです。
- 福利厚生の充実
- 働きやすい環境作り
- 介護ロボットの導入
- 外国人を採用する
それぞれ解説していきます。
福利厚生の充実
介護現場の人手不足を解消するために、まず現在の従業員が離職しないように福利厚生を充実させることが大事です。
安定した給与や夜勤や資格手当を増やすことで経済的に従業員を満足させます。
また、経済面以外にもワークライフバランスの充実や従業員のモチベーション向上させる為の施策なども重要です。
介護現場の人手不足を解消するには新たな人材を確保するのも大事ですが、既存の従業員の満足度向上も忘れずにしましょう。
働きやすい環境作り
介護現場で人手不足を解消するために、従業員に負担が少しでも減らせるよう働きやすい環境作りが重要です。
働きにくい環境の場合、人材を集めるのも難しくなり現在の従業員も離職してしまいます。
具体的には、以下の二つの事を重視しましょう。
- 良好な人間関係と雰囲気
- 休みが取りやすい環境
働きやすい環境が作れれば従業員が高いモチベーションで仕事に集中でき、忙しくて辛い時期でも乗り越える事ができます。
人手不足ですぐに従業員を雇用することが難しい場合、現状の従業員のモチベーションを上げて人を増やせるタイミングまで乗り切りましょう。
介護ロボットの導入
介護現場が人手不足になると一人に対する業務の負担が大きくなってしまいますが、介護ロボットの導入することにより業務の負担が解消されます。
人手不足の影響で溜まってしまう業務も介護ロボットがすべて解決してくれるからです。
介護ロボットの導入により、以下のような問題が解消されます。
介護ロボットを導入することで、人手不足でも業務が回らないなんてことは無くなります。
外国人を採用する
特定技能という在留資格を取得している外国人を採用することで介護現場で活躍できる即戦力の人材を確保できます。
日本人を介護職で未経験の人材を採用する際、研修などを行うので戦力として働いてもらうには時間がかかります。
しかし、特定技能外国人であれば介護職に関する知識を持った人材を採用可能です。
介護現場において、人手不足に悩まされている企業は特定技能外国人の雇用で解決できます。
介護現場の人手不足を解消するなら特定技能の受け入れがおすすめ!
介護現場の人手不足を解消するなら、即戦力を採用できる特定技能外国人がおすすめです。
ここからは、特定技能についてや外国人を採用する際の注意点などを解説していきます。
そもそも特定技能とは
特定技能は、人手不足の問題に直面している特定産業分野で一定の専門性や技能を持つ外国人材を採用するための「在留資格」および「制度」です。
特定技能1号と特定技能2号に分かれているので以下に比較表を記載しました。
特定技能を持った外国人を受け入れれば介護現場での人手不足は解消されます。
介護現場において、現在人手不足で悩んでいる企業や採用担当者は特定技能を取得している外国人の獲得がおすすめです。
特定技能の特定産業分野一覧
特定産業分野の一覧を以下にまとめました。
特定技能のメリット
特定技能を取得している外国人を採用することで介護現場の人手不足を解消できます。
特定産業分野に分かれているので採用後は即戦力として働きます。
一度採用してしまえば外国人労働者は長期的な仕事を希望しており、すぐに退職する心配もありません。
介護現場で人手不足に悩んでいるなら特定技能を取得している外国人を雇い黒字経営を目指しましょう。
特定技能外国人の採用手続きの手順
特定技能外国人の採用手続きの手順は以下の通りです。
- 対象業種か確認
- 企業の受け入れ条件を確認
- 候補者の選定
- 雇用契約締結
- 入管に在留資格申請
- 入国・就労開始・各種届出
それぞれ解説します。
対象業種か確認
まずは、人手不足の深刻な問題を抱えている特定産業分野であるか確認する必要があります。
全部で16種類の業種が対象となっており、介護職も深刻な人手不足に悩まされていることから特定技能外国人の受け入れ対象の業種です。
企業の受け入れ条件を確認
特定技能外国人を受け入れる企業にも条件があるので確認しておきましょう。
- 違法行為がないか
- 経営が安定しているか
- 労働環境設備が整っているか
- 支援が実施できるか
上記の条件を満たしていなければ特定技能外国人を受け入れることができません。
候補者の選定
企業が特定技能外国人の受け入れが認められると、次は候補者を選定します。
候補者は以下のような方法で選定します。
- 海外の送り出し機関とのマッチング
- 国内に在留している特定技能候補者
オンラインや現場での面接で介護スキルや経験などを聞いて、職場の雰囲気に合っているかなどを見極めましょう。
雇用契約締結
特定技能外国人との面接を終えて採用が決まれば雇用契約を結びます。
雇用契約を結ぶ際には、日本人と同等以上の条件での雇用契約が必要です。
入管に在留資格申請
雇用契約が済んだら企業は入管に在留資格の申請を行います。
申請場所は地方出入国在留管理局となり、審査期間は1~3か月程度です。
入国・就労開始・各種届出
地方出入国在留管理局からの申請許可が下りれば企業での勤務がスタートします。
雇用後に各種届け出が必要になります。
- 入管庁への「特定技能所属機関届出」
- ハローワークへの「雇用保険資格取得届」
- 労基署・年金事務所への手続き
以上で特定技能外国人の採用手続きが完了です。
特定技能外国人のの受け入れについてさらに詳しく知りたい方は是非チェックしてください。
【2025年対応】特定技能外国人の受け入れ方法と注意点を徹底解説|制度概要から手続き・雇用管理まで
外国人採用時の注意点
外国人採用時の注意点は以下になります。
- 日本人と同等の待遇
- 住居の確保
- 離職リスク
それぞれ解説します。
日本人と同等の待遇
特定技能外国人を採用してからは、給与、労働時間、休日など日本人と同等の待遇をする必要があります。
他の日本人従業員と比較した時に差別している部分がある場合、企業として特定技能外国人の受け入れの申請が通らない可能性があるので注意が必要です。
住居の確保
外国人を採用する際には、会社から近い場所で住居を確保する必要があります。
外国人が勤務時間外でも不自由なく暮らせるように企業は住居のサポートもしてあげましょう。
離職リスク
特定技能外国人は転職が認められているので最後に転職のリスクがあります。
企業はこまめにコミュニケーションを取り、転職されないようやり取りを行いましょう。
以下の2記事が、外国人の採用方法や注意ポイントについてより詳しく解説している記事になるので是非参考にしてください。
特定技能外国人の離職理由とは?背景要因と分野別傾向、企業の対策を詳しく解説
まとめ
介護現場における人手不足はすぐに解決しなければいけない大きな問題です。
本記事で解説したように人手不足問題は、特定技能外国人の採用も重要となってきます。
人手不足を放置していると従業員への負担が多きくなったり、忙しくて利用者に対してのサービス低下の繋がります。
介護現場の人手不足に悩まされている企業や採用担当者の方は、ぜひ特定技能外国人の採用を検討してみてください。