代表の想い

外国人技能者が母国を離れ、はるか遠くの日本で働く理由の多くは、家族の生活を支えるためです。母国に残した両親や子ども、兄弟のために、自らの時間と労力を投じて懸命に働いています。しかし、言葉が通じない環境、異なる文化、そして時に孤独な日々が彼らを待ち受けています。

もし、自分の子どもが5,000 kmも離れた国で働くとしたら、その環境に何を求めるでしょうか。安心して生活できる住まい、温かく迎え入れてくれる職場、尊重される文化――それらが整っている国であることを願うはずです。

彼らは遠く離れた国で懸命に生きています。そして、その努力は日本の産業を支える力となっています。異国で働く彼らを単なる労働力として扱うのではなく、人として尊重し、受け入れる環境を整えることが、これからの日本の企業に求められています。

かつて世界をリードした日本経済も、いまや成長の停滞が続き、国際的な競争力を失いつつあります。かつては日本で働くことが一つの「成功」でした。しかし今、多くの外国人が日本ではなく、より良い待遇を提供する他国を選ぶようになっています。賃金の上昇が鈍化し、生活コストは高騰し、社会全体の活力が失われていく中で、日本は徐々に「選ばれない国」になりつつあります。

一方、シンガポール、カナダ、オーストラリアといった国々は、より高い報酬、手厚い支援制度、そして安心して暮らせる環境を提供することで、優秀な外国人労働者を次々と受け入れています。日本がこの状況を変えられなければ、必要な人材はますます減少し、社会の活力も失われてしまいます。

日本の未来を支えるためには、外国人技能者にとって「魅力的な国」であり続ける必要があります。待遇の改善、働きやすい職場環境、そして何よりも日本に来てよかったと思えるような受け入れ体制が求められています。

日本が今後も成長し、世界から信頼される国であり続けるためには、企業一つひとつの意識が問われています。単に労働力として外国人を受け入れるのではなく、日本の社会の一員として迎え入れ、共に未来を築く姿勢が求められています。

そのために、企業は働きやすい環境を整えることが必要です。言葉の壁を取り除くための教育、異文化を尊重する姿勢、公正な評価と待遇の向上。こうした取り組みが、外国人技能者に「この国で働き続けたい」と思わせる鍵となります。

また、企業が成長し続けるためには、優秀な人材を確保し、育成し、共に成長していく仕組みが必要です。外国人技能者が定着し、日本での生活に満足できる環境が整えば、企業の生産性は向上し、日本経済全体の活力も取り戻せます。

日本が選ばれる国であり続けるために、今こそ企業の意識を変え、未来を見据えた行動を起こすことが求められています。